お店でチョコレートを買うとき、ときおり「ピュアチョコレート」という文字を目にすることがありませんか?
名前の印象からして「カカオ100%チョコレートのこと?」と思ってしまいがちなのですが・・・
違います!
では一体何なのか? 他のチョコレートとどう違うの? 今回はピュアチョコレートについての謎をさくっと解き明かしていきましょう!
ピュアチョコレート(純チョコレート)について
ピュアチョコレートとは「称号」のようなもの
ピュアチョコレートは、純チョコレートと表記されることもあります。
チョコレートの中でも、ある厳しい規格を満たしたものだけがそう呼ぶことのできる、いわば名誉勲章みたいなもの。
種類別分類としては「チョコレート」の中に含まれます。
決して製品名ではないのでご注意くださいね。(ここも勘違いしやすいポイント!)
他のチョコレートと何が違うの?
大きな違いは、添加物として使われる代用油脂が使われていないこと。
あまりピンとくる方は少ないかもしれませんが、市販のチョコレートには「植物油脂」という添加物が使われています。これは口どけをよくするために使われるもので、本来はココアバターという天然の油脂を使います。
ここでココアバターのかわりに植物油脂を使用することにより、口当たりや風味に違いが出てくるんですね。
他のチョコレートよりも優しい口当たりで、よりカカオの風味を楽しめるチョコレートになるんです。
・・・とはいえ、はっきりくっきり「わぁ、こんなに違うのか!」と違いがわかるわけではないです。鈍感な私が食べる程度では「あ~、食べ比べてみたら風味が違う気がする!」という程度です(笑)
※添加物としての植物油脂についてはこちらの記事もご覧ください!
純チョコレート規格
ではここで、栄えある「ピュアチョコレート」と呼ばれるためには、どんな厳しいルールを乗り越えねばならないのか、チョット難しいですが規格の内容を掲載しますね。
事業者は、チョコレート生地チョコレート生地のみのチョコレート又はココアパウダーについて、「純良」、「Pure」その他該当製品が純粋である旨を意味する文言を表示する場合は、次の各号の基準によらなければならない。
(1)チョコレート生地又はチョコレート生地のみのチョコレート
次のアからカまでのすべてに適合するものに限り表示することができる。
ア カカオ成分として、ココアバター又はカカオマス及びココアバターのみを使用しているもの
イ 脂肪として、ココアバターの他には乳脂肪のみを使用しているもの
ウ 蔗糖以外の糖類を使用せず、かつ、蔗糖が全重量の55パーセント以下のもの
エ バニラ系の香料以外の食品添加物を含まないもの
オ レシチンが全重量の0.5パーセント以下のもの
カ 上記アからオまでに規定する原材料、乳製品、その他全国チョコレート業公正取引協議会が承認したもの以外のものを加えていないもの
~以下省略~
全国チョコレート業公正取引協議会 チョコレート類の表示に関する公正競争規約より
わぁ~、何言ってるのかわからない!ってなりますよね~!
では、もうちょい簡単に言うと・・・
・「カカオ分」として使っていいのはカカオマスとココアバターのみ。
・脂肪はココアバターと乳脂肪だけ。
・糖類(ショ糖のみ)の使用量は全体の55%以下。
・食品添加物として認めるのはバニラ系香料だけ。
・レシチン(天然の油脂です)は全体の0.5%以下にするように。
・その他、協議会が認めたもの以外は加えちゃいかん!
材料とチョコレートの製造法がイメージできないと難しいですが、要するに厳しいルールが課せられていると思ってもらえればいいです。
このルールを乗り越えることができたチョコレートのみが「ピュアチョコレート」と名乗ることができるわけです!
「チョコレート」と呼ばれるためには
厳しいルールを乗り越えたチョコレートのみがピュアチョコレートと名乗れるわけですが、「ピュア」でない、一般的なチョコレート達も、実はまた別のルールに基づいて区分けされているんです。
ここでさらっと解説しておきますね。
チョコレートにも規格がある
「チョコレート」と名乗るためにも、実は明確なルールがあるんです!
ざっくり言うと、「チョコレートか、チョコレート菓子か」の違い。
例えば、板チョコやブロックチョコなど、チョコレートそのものとして食べるものもあれば、チョコクッキーやポッキーみたいなチョコがけお菓子もある。それぞれ、チョコレートの使用量が全然違いますよね!チョコレートの量も違いますが、使われるチョコレートにも違いがあるんですよ。
この違いによって、大きく4つの種類に分類されています。
・チョコレート
・準チョコレート
・チョコレート菓子
・準チョコレート菓子
お、なんか見たことある!という方も多いかもしれませんね。
そう、よくパッケージの裏に「名称」として書かれているやつです!
あれ、一体何が違うんだろうと一度は思ったことあるはず!
これは、使っているチョコレート生地の割合によって分けられているんです。
チョコレート生地が60%以上使われていれば「チョコレート」、60%未満であれば「チョコレート菓子」。
準チョコレート生地(※)が60%以上で「準チョコレート」、60%未満で「準チョコレート菓子」となります。
※準チョコレート生地とは、通常のチョコレート生地よりカカオ分が低く、その分油脂の割合が多くなっています。よりなめらかになり、コーティングなどに適した生地になります。
この成分の割合も規格で決まっているのですが、とっても細かいのでまた別の機会に・・・
ピュアチョコレートは生地単体、チョコレートは複合OK
ピュアチョコレートも、上記の4つの区分の中では「チョコレート」の中に含まれます。
ですが、「チョコレート」という区分は、チョコレート生地が60%以上ならそう呼べちゃうんですよね。
例えばお馴染みの「キットカット」は、中にウェハースが入っていますが、種類別名称としては「チョコレート」なんです。(※赤地に白の、普通のやつに限ります)
なぜかというと、チョコレート部分が全体の60%を超えているからなんです!
それに対し、ピュアチョコレートはチョコレート生地単体でできている必要があるので、ウェハースやパフが入っているとピュアチョコレートとは呼べません。
言われてみると、「あぁ、なるほど!」ってなりますね!
ここも両者の大きな違いのひとつです。
身近なピュアチョコレート
明治 ミルクチョコレート
こちら、誰もが知る板チョコレートです!そのまま食べてもおいしいし、お菓子作りに使う人もいればトーストに乗せたりホットミルクに入れたりするとより楽しめる万能チョコレート♪
実はこれ・・・ピュアチョコレートなんです!!
原材料を見てみましょう↓
注目ポイントは「原材料名」の部分。植物油脂が入っていません!
添加物が気になる方には嬉しい&貴重なチョコレートです!
まとめ
それでは、最後にまとめておきますね。
・ピュアチョコレートとは、厳しい規格を突破したチョコレートのこと。
・主に食品添加物などへの取り決めが多い
・それによってカカオの風味がより感じられるチョコレートになる
チョコレートの中にもいろいろな分類があります。お菓子の用途や種類によって分けられていたりするので、お店で買うときに少し気にしてみると楽しいですよ!
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