「チョコレートって添加物だらけで危険って本当?」
「食べちゃいけないっていう人もいるけどどうして?」
大好きなチョコレート。コンビニやスーパーなどで手に入る身近な幸せ。そんなチョコレートが危険視されている!?
ふとしたことから世間の事情を知り、悲しくなった私・・・。
よし、これは徹底的に調べてみよう!と思い立ち、その背景にあるものを探ってみました。
探っていくうちに辿り着いたのは、チョコレートに使用される食品添加物。今回は、チョコレートに使用されている主な2つの添加物「乳化剤」「植物油脂」について、その性能や健康の面から掘り下げていきたいと思います。
これを読み終える頃、きっとあなたは手元のチョコレートの成分表示を見てみたくなります。正しい知識を身につけて、これからもおいしく、かしこくチョコレートを食べましょう!
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チョコレートに使われる主な添加物
チョコレートに使用されている主な添加物は2種類。「乳化剤」と「植物油脂」です。なんだか聞き慣れない名前でちょっと不安になりますが、チョコレートを作る上でそれぞれにしっかり役割があります。
これらが一体何で、どのような働きをするのか?ではひとつずつ解説していきます。
【1】乳化剤
乳化剤とは?
まずひとつめに注目するのは「乳化剤」。
乳化剤とは、チョコレートの原料であるカカオや油分、水分や砂糖をしっかり混ぜ合わせるために使われる添加物です。チョコレートには「レシチン」という乳化剤が使われています。
※以下より乳化剤=レシチンと表現します。
レシチン・・・何だろう? では、少しずつ紐解いていきますね。
レシチンの成分
レシチンは主に大豆由来の脂質です。天然由来成分で、国でも安全性が確認されているものです。
名前だけ聞くと化学成分のようなイメージがありますが、実は妊婦さんや赤ちゃんが食べても害のない安全なものなんですよ!むしろ生命にとって必要なものだと言われています。
何のために使うの?
使用の目的は、チョコレートに使われる原材料を分離しづらくするため。原料に含まれる油分と、それ以外の成分がうまく混ぜ合わせるために用いられます。
こう聞くと少しわかりにくいですよね!順を追ってご説明します。
レシチンのしくみ
レシチンについて説明する前に、レシチンのことをよく知るためには、チョコレートの原料についての知識が必須です。
少し長くなりますが、ご存知の方は読みとばしていただいて大丈夫です!
チョコレートの原料について
チョコレートの原料はご存知ですか?ズバリ、「カカオ豆」です。
カカオ豆ってめちゃくちゃ固いのですが、全体の約50%ほどは油分なんです。この油分を「ココアバター」といいます。
油分の含まれた豆をすりつぶしていくと油分がにじみ出てきて、全体が混ざり合ってドロドロのペースト状になります。これが「カカオマス」。
イメージしやすいところで例えると、ゴマがわかりやすいかな?
油分を含んだゴマをすり鉢でゴリゴリしていくとすりゴマになり、さらにするとゴマ油が馴染んで練りゴマになるのとすごく似ています!
カカオ豆も同様で、固いカカオがすりつぶされて粉々になり、さらにすりつぶすとペースト状のカカオマスになる。そこに砂糖も混ぜて、さらに練って練って練り上げて・・・最終的に我らの愛する、あの口どけなめらかなチョコレートになるわけです。
・チョコレートの原料はカカオ豆
・カカオ豆は全体の50%くらいがココアバターという油脂
・油分のおかげですりつぶしていくとペースト状のカカオマスになる
・カカオマスに砂糖やミルクなどを混ぜてさらに練ってチョコレートを作る
チョコレート製造過程をチームに例える
ここからは、さらに例え話を交えながらお届けします!
さて、チョコレートの主な原料はカカオマス、ココアバター、砂糖、ミルクなど。これらが「チョコレート」というチーム(食品)を構成するチームのポジションとなります。
この原料たちは例えるならば「ポジション」です。つまり、同じポジションに属するメンバーがいるわけです。
ではメンバーはというと、粉々に混ざり合ったカカオの粒々や砂糖の一粒一粒になります。
とっても細かく、目にも見えず、舌で感じることもできないくらいのミクロな粒々・・・
つまりこのチーム、見えないくらいに無数のチームメンバーから成る超巨大プロジェクト、ということになりますね!
この巨大なチームを「Team・Chocolat」と命名しましょう!
「Team・Chocolat」構成におけるチーム編成
・カカオマス
・ココアバター
・砂糖
・ミルク
・(その他)
チームの輪は乱れやすい
おいしいチョコレートとなるべく結成された「Team・Chocolat」の無数のメンバー達ですが・・・
各メンバーたちは職人さんや専門の機械によって何十時間も練り上げられて、ミクロの粒同士がほどよいソーシャルディスタンスを保ちながら、心地よく「ココアバターの海」に浮かべるように配置されています。
しかしながら、「ほどよい距離」というのは大変に難しく、ちょっとした温度変化のトラブルなどによって簡単に崩れてしまうんです。そう、メンバー同士の摩擦やすれ違いのように・・・。
そして、すれ違ったあげく、仲の良いポジション同士が磁石のように引かれ合い、くっついてしまうんですね。カカオの粒同士、砂糖の粒同士など。
せっかく何十時間もかけて練り上げ、きめ細かく作ったにもかかわらず、同じ原料同士がくっついて粒々が大きくなり、その結果なめらかな口当たりが損なわれ、口に入れたときにざらつきを感じてしまったりするわけです。
本来、チョコレートとはほんの少しの温度や湿度の変化でも風味に影響が出てしまう繊細な食べ物。高級なチョコレートを買った際には、ぜひとも細心の注意を払ってお持ち帰りくださいませ・・・
つなぎ役のレシチン
少しのトラブルでもチームの和が乱れてしまう「Team・Chocolat」。そこへ登場するのがこのお方。「ディレクター・レシチン」です!
レシチンのポジションは、微妙な温度変化などで、成分であるカカオマスや砂糖同士がくっついてしまうのを防ぐ役割を担います。
くっつきやすい成分を分離させ、油分であるカカオバターとうまく馴染ませるために使用されるんです。
まさに、摩擦の起きやすい「Team・Chocolat」のメンバーやポジション間の仲を取り持ち、うまくまとめる凄腕ディレクターというわけですね!
レシチンの必要性
つなぎ役・調整役として大活躍のレシチンですが、安全なものとはいえ、「添加物」であることに違いはありません。添加物を入れることによって、僅かに生まれる風味の違いを感じる方もいらっしゃいます。
大事な役割を担うとはいえ・・・実のところ、レシチンを入れなくても、チョコレートを作ることはできるんです。
ただ、何度も出てきたように、チョコレートは温度に敏感な食べ物。なめらかな口どけは徹底した温度管理のもとで成り立つものです。
調整役なくしておいしさを保つのは、職人さんの技術と膨大な時間が必要になります。そして、それをもってしてもおいしさが崩れないという保証は残念ながらありません。
添加物は使わないに越したことはないけれど、皆さんにおいしいチョコレートを届けたい。そんな思いと葛藤の中、おいしさを保つためにレシチンを使うか?カカオの風味を最大限に生かすために使用しないのか?最終的にはショコラティエやメーカーによって決定されます。
そこに、チョコレートブランドやメーカーの価値観のようなものが込められているのかな、と思う次第です。
まとめ
チョコレートにおける乳化剤(レシチン)とは…
・チョコレートが温度変化によって成分分離してしまわないようにするために使われる添加物
・分離することでなめらかな口どけが損なわれてしまう可能性があるため、使うことは多い
・天然由来の脂質で食べても害のあるものではないが、多少の風味に影響がある
・使わなくてもチョコレートは作れるが、難しくなるため使うか使わないかは作り手さん次第
【2】植物油脂
植物油脂とは
では2つ目にまいりましょう!
植物油脂とは、植物から絞り出して作る油分です。
チョコレートにおいては、主に口どけをよくしたり、つやを出すために使われることが多いです。
植物油脂の成分
植物油脂とは「植物から絞り出した油」なので、何の植物から絞り出したのかが成分となります。
ごま油、コーン油、オリーブオイル、そしてココアバター・・・私たちに馴染みのある名前も多いですね。
何のために使うの?
主に口どけやつやだしのために使われることが多いのですが、もうひとつの大きな理由として、「製造コスト」という難しい問題が背景にあるんです。
ではこのあたりを詳しく掘り下げていきましょう!
植物油脂のしくみ
植物油脂は大きく2つに分かれる
植物油脂は、大きく2種類に分類されます。それは、「常温で液体なのか個体なのか」。
例えば、ごまをぷちっと潰すとにじみ出てくるごま油は液体。パンに塗ったりするピーナッツバターや、チョコレートの原料だけでなく美容クリームなどにも使われるココアバターは個体です。
使い方に合わせて加工される
さてここで、液体の油を食用などに使う場合、液体だと使い勝手が悪いことがあります。
例えばマーガリンなどは常温だと個体で、焼きたてトーストに塗るとじわっと溶けて液体になりますよね。
マーガリンの原料は主にコーン油や大豆油など、常温では液体のものも含めた複数の油脂を混ぜ合わせて作られています。
これらを使い勝手の良いよう、常温で個体となるように加工されるわけですが、その際に水素が加えられます。この水素加工の際に生まれる副産物が「トランス脂肪酸」という近年問題視されている成分なのです。
悪玉コレステロールの増加により心血管疾患のリスクを高める可能性等が懸念されており、消費者も製造メーカーもこれを避けるようになりました。
もちろん、メーカーもこの状況はマズイ!と様々な対策を講じていらっしゃいます。
これは、我が家で使用しているマーガリン「明治 コーンソフト」のパッケージです。こんなメッセージが書かれていました。
・植物油脂とは、植物から絞った油。
・常温で液体のものと個体のものがある。
・油脂の加工の際、体に悪いとされる「トランス脂肪酸」が生成される。
チョコレートにおける植物油脂
では、ここからがようやく本題!チョコレートとどう関係するの?というお話に入ります。
チョコレートに使われている油脂といえば、上記の乳化剤の部分で触れたように、カカオ豆の約半分がココアバターという油脂でした。
ココアバターは常温だと個体で、人肌より少しだけ低い温度(32~33℃くらい)で液体へと変化してゆきます。
私たちがチョコレートを口に入れた際になめらかに溶けていくのは、人肌で溶けるココアバターの性質を存分に活かしているからなんです。
とろけるような口どけに欠かせないココアバターですが、なにせ天然モノですので、どうしてもコストが高くなってしまうんですね。
1枚100円ほどのお値段で売られている量産チョコレートなど、低価格なものだと原価が見合わないわけです。
各社さんがなんとかコストダウンを図ろうと考え出したのが、「ココアバターに似たものを他の油脂で代用しよう」という考え方。・・・ハイ、ここで上記の「植物油脂」の登場です!
さまざまな種類の油脂を混ぜ合わせ、個体であるココアバターに似せて作るために加工する。
そしてこの過程で水素加工が行われ、その際に副産物であるトランス脂肪酸も生まれてくる、という流れに繋がります。
ここが、「チョコレートは植物油脂が使われてるから危険」と言われている大きな理由のひとつなんです。
植物油脂の必要性
チョコレートの添加物に、健康に害をもたらす可能性のある「トランス脂肪酸」が含まれているお話をしてきました。
え、そんな危険なものを使っていて大丈夫なの!?という不安が湧き起こってきますが・・・
世界保健機関(WHO)が、トランス脂肪酸の平均摂取量を一日総エネルギー摂取量の1%未満とするよう定めています。
「1%未満」ってどのくらい!?というところもありますが・・・つまりのところ、「摂りすぎはよくないよ」という程度の認識で大丈夫です!
ここで、なぜ植物油脂をチョコレートに使う必要があったのかを改めて振り返ってみましょう。
主な理由はチョコレートの口どけやつや出しのため、そしてもうひとつはコストダウンのためでした。
そのため、低価格、一般的にスーパーやコンビニで売られているチョコレートには基本、植物油脂が使われています。
手軽に買えるお値段と利便性のため、各メーカーが添加物で工夫を行った結果、私たちは日々コンビニ等で気軽にチョコレートを買い、おいしさを味わうことができるのです。
まとめ
・植物油脂とは、植物から搾り取った天然の油脂
・植物油脂自体は天然成分。これそのものが体に悪いわけではない
・加工油脂を作る際に発生する成分が健康に悪いと言われている
・チョコレートの口どけやつやを出すため、コストダウンのために使われる
・一般的に売られているチョコレートにはほぼ入っている
添加物って悪いの?
チョコレートに含まれる2種類の添加物について、長々と解説してきました。
ここで、難しい問題「つまりのところ、添加物って良いの?悪いの?」という問題について、私なりの見解を書いておこうと思います。
これに関しては本当に難しい問題で、チョコレートに限らず私たちの食文化全般にいえることだと思います。
最近では無添加の野菜やオーガニック製品なども見かける機会が多くなりましたが・・・私としては、添加物は悪者だとは思っていません。
私は小さい頃から添加物と常に接して生活してきました。幸いなことに、アレルギーもなければ健康の害もありません。私の鈍感な舌は添加物の有無を感じることはできません。
でも日々大好きなチョコレートを楽しみ、スーパーやコンビニで新商品が出るたびに心躍らせる日々を送っています。
私が思うのは、お店で手軽に買えるチョコレートだって、製造メーカーが日夜研究開発に取り組み、安心・安全を追求した成果であると思っています。
ただ、添加物に対しアレルギー反応が出る人もいらっしゃるのが辛い現実。自分自身はもちろんのこと、大切なパートナーや子供がアトピーに苦しむ姿をただ見ていることしかできないのは本当に辛いです。
そういった現在症状に苦しむ方、またそうなりたくないために予防したい方は、やはり添加物は避けるべきであると思います。
大事なのは、「自分はどのように考え、どう行動するのか」。
自分も含め、これまであまり深く考えたことのない人も多いかと思うのです。これをきっかけに、少し行動に変化が見られたならばうれしいです!
この記事を読んでチョコレートの添加物に詳しくなったあなたは、きっと手元にあるチョコレートのパッケージ裏を確認したことでしょう。
「へぇ~、このチョコ植物油脂使ってないんだ!」って思えるようになったあなた。
ここまで記事を読んでくださり本当にありがとうございます!!
添加物に配慮したチョコレート
では最後に、添加物に配慮して作られたチョコレートを2点ご紹介します!
今日はどのチョコにしようかな?チョコレート選びの参考にしてくださいね。
明治 ミルクチョコレート
チョコレートといえばこれ!というくらいポピュラーな板チョコ。私も大好き♪
でもね、実はこれってすごいチョコレートなんです!
それは・・・これがピュアチョコレート(純チョコレート)だという事。
ピュアチョコレートとは添加物や脂肪分に対して厳格な決まり事を遵守しているチョコレートのみそう呼ぶことができる、名誉勲章のようなステータス。
明治ミルクチョコレートは、お手頃価格で手に入るチョコレートなのに、植物油脂を使用していない珍しいチョコレート!同じ明治の板チョコでも、植物油脂を使っていないのはこのミルクチョコレートのみなんです。
レシチンは規定以下なら使用が認められているので、大豆由来のレシチンが使われています。
明治の公式サイト「meiji milkchocolate」内の「ミルチのおはなし」ページで、カカオへのこだわりやミルクチョコに込めた想いなどが語られています。
参考 meiji milkchocolate ミルチのおはなし
ラ・メゾン・デュ・ショコラ 「ガナッシュ ビーガン」
私がこよなく愛する高級チョコレートブランドより、2021年9月2日に発売されたばかりの新商品!
このブランドの主力だったフルーツのボンボンショコラがリニューアルされて新登場。
ガナッシュに使用される生クリームやバターの動物性油脂を使用せず、代わりにヘーゼルナッツオイルで口どけを表現した、ショコラティエのニコラ・クロワゾーのこだわりの集大成です!
どれもフルーツの酸味がじゅわっと口いっぱいに広がる、瑞々しいボンボンショコラでした!
生クリーム使わずにこのなめらかさが表現できるなんて・・・!!さすが「ガナッシュの魔術師」と呼ばれるニコラさん!
・・・あわわ、書き出すと止まらなくなりそうなので、続きはこちらの記事で!
公式サイト La Maison du Chocolat(ラ・メゾン・デュ・ショコラ)
最後に
いかがでしたか? 普段おいしく食べているチョコレートにも、添加物は使用されています。
この添加物はいずれも、チョコレートをおいしく食べてほしいという作り手さんの想い。なぜ使われているのかを知るだけでも、チョコレートを違った角度から見ることができます。
ご自身の健康やリラックスしたい時など、その時の気分に合わせて、裏の成分表を見ながらチョコレートを選んでみるのもいいのではないでしょうか。
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