最近スーパーやコンビニでもよく聞かれるようになった言葉ですが、実際にはよく知らないという方も多いと思います。
この記事を読み終える頃にはしっかり知識が身についていますので、おいしく食べて社会貢献しましょう!
フェアトレードチョコレートとは?
まずは結論となる定義から。
フェアトレードチョコレートとは 、「フェアトレード」により原料の生産者から適正な価格で仕入れたカカオ豆を使って作られたチョコレートのこと。
適正価格での取引により生産者の経済的自立を支援する、社会的問題の解決を図る取り組みの一環です。
それでは、下記で内容を掘り下げて解説していきます。
フェアトレードについて
フェアトレードとは
主に食品の原料となるカカオやコーヒー豆、ナッツなどは、東南アジアやアフリカなどで生産されていることが多いです。チョコレートの原料はカカオ豆ですね。
これらがときに驚くほどの安価で取引されていることがあり、貧困、飢餓の苦しみや児童労働など、学費が払えず学校に行くことができない児童もいます。また、収穫量をを増やそうと生産性を高めるため、必要以上の農薬が使われて環境破壊につながるなどの問題が世界で起こっています。
この問題に目を向け、生産者が安心して生産を続けていけるように適正な価格設定を設け、継続的に購入することで生産者を支援していく貿易のしくみが生まれました。これが「フェアトレード」です。
生産者の労働環境や生活水準を保証することでより良質な作物が作られ、私たちもおいしい食品をいただける。そしてそれが持続することで農薬の使用も減れば環境破壊の抑制にもなり、サステナブルな社会への貢献へと繋がっていくのです。
国際フェアトレード基準
フェアトレードには明確な基準が設けられています。生産者側と買い付け業者側、双方にルールがあり、良質な作物の提供と生産者の経済的自立が保てるように定められています。
主な基準は下記の3本柱となっています。
経済的基準
お金に関する内容の取り決めです。
買い付けの際の最低価格を設け、原料の市場価格が下がっても、最低ラインでの買取価格を保証したり、また生産者組合に対して「プレミアム」という奨励金を別に支払うことで生産支援を行ったりしています。
社会的基準
労働環境や差別などに関する内容です。
生産者が組合を作って発展と向上のため力を合わせて運営を行っていくこと、また強制労働・児童労働の禁止など、自分たちの力で暮らしを豊かにしていくための取り決めがなされています。
環境的基準
農薬や遺伝子組み換えなど、地球環境に関する内容です。
農薬の適正使用や遺伝子組み換え品の禁止、有機栽培の奨励などを行うことにより、地球環境を守る取り組みが積極的に行われています。
サステナビリティとSDGs
このようなルールが適用されることで、生産者は丹精込めて育てた作物を適正価格で買ってもらえるようになり、生活の保証ができることにより、さらに良質な作物を育てることが可能になります。そしてそれが継続して行われることで、サステナブルな世界の実現へと繋がる取り組みとなり、SDGsの実現に大きく貢献できるのです。
※サステナブルとは:私たちが生活する上で、人と地球にやさしい暮らしを実現するために継続的に行うことのできる取り組みのこと。
※ SDGsとは:サステナブルな社会の実現に向けて国連サミットが掲げた、2030年までに達成する目標のこと。17の目標と169のターゲットが定められている。
フェアトレードチョコレートについて
さて、ここまで簡単に「フェアトレード」について解説してきました。改めて、フェアトレードチョコレートとは「フェアトレードにより公正な価格と品質で取引されたカカオ豆を使って作られたチョコレートのこと」でした。ではここで、フェアトレードチョコレートに関するよくある疑問について解説します。
フェアトレードチョコレートが高いのはなぜ?
フェアトレードチョコレートはそうでないチョコレートに比べて高いですね。理由は、生産者からの買取価格が通常より高いから。生産者に支払う正当な価格と思ってもらえたら嬉しいですね。
しかしながら、販売側としてはその分だけ販売価格を上乗せし、利益を回収せねばならないわけです。
ここからは個人的意見となりますが・・・同じフェアトレードチョコレートの容量であっても価格帯が違うんですよね。
理由としては、チョコレートブランドのネームバリューであったり、フェアトレードカカオの希少価値であったり。それで値段が高いこともあります。カカオ豆をどう活かすかはショコラティエさんにかかっているので、それは納得です。
では安いものは?カカオ豆以外の部分で原価を調整しているから安いのかな?そうすると上乗せされた価格がカカオ農家さんに貢献できる金額っていくら?そこが曖昧なんですね。「売上金額の〇%が生産者に支払われます」のほうがわかりやすいかな?と思ったりします。
チョコレート専門店「DARI.K」さんが似たようなことを書かれていらっしゃり、とても感銘を受けたので、こちらにリンクを貼っておきますね。
フェアトレードチョコレートっておいしいの?
これは難しい問題なので、一概には言えません。フェアトレードチョコレートってチョコレートの種類ではなく、あくまで貿易に関する取引のことなので、チョコレートの味を決めているのは製造業者さんです。もし過去に食べておいしくなかったと感じたのなら、その製造元のチョコレートがお口に合わなかったのだと思います。
例えば仕入れる数に限りがある豆の風味を生かそうと、砂糖を少なめにしたのれあれば、甘さが足りず食べにくかったかもしれません。また、豆の原価が高いためにコストを合わそうと、どこかの工程を減らすなど調整した結果、おいしさが引き出せなかったのかもしれません。
フェアトレードチョコレートといっても、いろんなメーカーからさまざまチョコが販売されています。いろいろと試してみていただいて、ご自身でおいしいと感じられたものをチョイスしていただくのがよいと思います。
まとめ
いかがでしたか?日頃おいしくいただいているチョコレートの背景に、カカオ農家さんを取り巻く深刻な問題があることを知っていただけたでしょうか。
お店でフェアトレードチョコレートの販売があれば、ぜひ積極的に購入してみていただけると嬉しい限りです。
参考サイト:フェアトレード ジャパン
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